海のフライフィッシング(Saltwater Flyfishing=SWFF)にハマって、そろそろ8年になる。
フライフィッシングというと、渓流の釣りでヤマメやイワナなどの渓魚をもっぱらの対象魚とする、あるいは鱒(トラウト)釣りの手段・・・といった認識が一般的なところだと思う。それはそれで間違いではないのだが、どっこい海をフィールドにするとこれがなかなか侮れないのである。対象魚の幅がぐっと広がり、大はマーリン(カジキ)から、マグロやカツオ、スズキにメバル、小はハゼまで、あらゆる魚がターゲットとなりうるのだから。
そんな世界に踏み込んでしまった自分は、現在、海のフライフィッシングがメインで、川や湖の釣りはほとんどやらなくなってしまった。海の環境はさまざまだから、釣り方のスタイルも千差万別。船で出るオフショアの釣りからインショアの釣り、陸から釣るショアの釣り、海の中に入って釣るウェーディングの釣り、遠浅の海を歩きながら釣るフラット(礁湖・礁原)の釣り・・・・・
使うフライの種類も対象魚や状況次第で、ほとんど何でもありの世界。魚の食い気に依存する状況が多い釣りなので、シンプルなパターンの方が釣れることも少なくないし、状況にハマればどんなフライでも釣れることさえある(笑) だが、状況が良い時はそれほど多くないので、やはりフライのパターン(種類)は大きなポイント・・・アングラーは日夜新しいフライを巻く(作る)。
食わせることに成功したら、そこには概ねアドレナリン級(?)興奮が待っている。淡水の釣りはロッドとラインのやりとりで完結することも多いが、海では対象魚のパワーとスピードがある場合が多く、細身のフライロッドで力と力のやりとりが展開したりする。逆転して唸りを上げるリール、限界まで曲がったロッド・・・そのパワー感を伴った緊迫感、線が細めのマッチョな感じ(笑)が好きなのである。
大型魚と長時間ファイトすると、アドレナリンが分泌される(と思う)。で、そのアドレナリンの効果はしばらく持続するようで、肉体的興奮の名残りが減衰しながら残る(ような気がする)。早い話、なかなか興奮が醒めないのである。だから、例えば、寝るときに目をつぶるとその興奮がジワジワと波状に蘇り、その時の光景が脳裏をよぎったりする。自分の経験では1週間ほどそんな状態が続いたこともあった・・・・・
ひと粒で、何度もオイシイ・・・そんな釣りが、何でそれなりにポピュラーにならないのか? 答えは簡単、あまりにも釣れない釣りだからである(爆)
#写真は、キハダマグロ(推定重量13kg前後)とのファイト。キリバス共和国クリスマス島にて / September, 2002 ; Nikonos+35mm